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『外科医 須磨久善』 海堂 尊 [読んだ本]

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バチスタ手術のことを最初に知ったのは、多分1999年か2000年の心臓病学会だったと思う。拡張型心筋症で伸びきってしまった心筋を切り取って縫い縮める手術。物理的に縮めても、結局ほとんど助からないから、それよりもβブロッカーでコントロールしよう、という論調だった気がする。自分の中のイメージでは、一瞬スポットライトを浴びたものの、やがて消え去るものだった。

それが、2006年に海堂尊の小説の題名『チーム・バチスタの栄光』として目に留った。「バチスタ」と「栄光」が相容れない感じがして、思わず手に取らずにはいられなかった。その後、海堂氏の作品をずっと読み続けている。

さて、今回読んだこの作品は、日本でいや世界で唯一バチスタ手術を続けている心臓外科医のノンフィクションである。心臓外科医の功績はそれだけでなく、現在、日本でもあちこちで当然のように行われているMID-CABという術式を日本で最初に行った人物であり、胃の動脈をバイバスに使用する手術を最初に行った人物でもある。これらの手術は、決して特別な病院でなく、心臓血管外科のある病院なら普通に行われている。

頂点を極めた人間が、自分の過去の分岐点を振り返った時、その唐突に訪れる分岐点で選ぶ選択肢が間違いなく頂点に続くものであったということがわかる。その分岐点をインタビュアーの海堂氏が見事に写し取った作品。息子に読ませたい。


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